お知らせ

  • 皐月のおたより

  • 2021.05.01

  • 桜の花を皮切りに、あんず、もも、りんごと、信州の里山には次々と花が咲き誇り、新緑の美しい季節を迎えました。五月晴れという言葉もあるように、暑くもなく寒くもない、気持ちの良い日が心を浮き立たせてくれます。

    そんな5月の和風月名は「皐月」です。5月はちょうど田植えの時期を迎える頃。苗代から田へ植え替える苗のことを「早苗」と呼ぶことから、「早苗月(さなへつき)」が略されたという説と、苗を植えることを古語で「さ」ということから、「さ」の月、さつきとなったという説があるようです。田んぼに水が張られ、小さな緑の苗が風にそよぐ様子は、信州の豊かな大地を象徴する風景のひとつ。心地よい風に誘われて、お出掛けしてみてはいかがでしょうか。

    さて、5月の行事といえば、まず思い浮かぶのが5月5日の「端午の節句」。「五節供」のうちのひとつであり、今は「こどもの日」として子どもたちの健やかな成長を願う日となっています。端午の節句といえばかしわ餅が定番です。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから家系が途切れないとされ、「子孫繁栄」を願う縁起の良い菓子として親しまれています。
    たむらでは、5月下旬までの期間限定でかしわ餅を販売しています。こし餡、みそ餡、うめ餡、よもぎ(つぶ餡)の4種類の中から、お好みの味を見つけてください。

    また、5月1日は「八十八夜」です。昔から「八十八夜に摘まれたお茶を飲むと長生きする」といわれ、新茶を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。そんな新茶に合わせていただきたいのが、たむらの「茶柱」です。しっとりとしたフィナンシェの生地に挽きたての宇治抹茶をたっぷりと混ぜ込んで、茶柱のような細長い棒状の型でふっくらと焼き上げました。縁起の良い形はちょっとした手土産に最適と喜ばれています。

    6月1日からは、旧暦の6月の名を冠した「水無月」の販売も始めます。「水無月」は、一年の半分にあたる6月30日に、半年分の邪気を祓って残りの半年を健康に過ごせるよう祈願する、「夏越の祓」という神事とともに食されるお菓子です。丹波の大納言を3日3晩かけてじっくりと炊きあげたかのこ豆を、ういろうの上にたっぷりとのせた「水無月」で邪気払いはいかがでしょうか。たむらでは定番の水無月の他、黒糖のういろうに松代のあんずをのせた、「あんず水無月」もお楽しみいただけます。

    店主