お知らせ

  • 皐月のおたより

  • 2025.05.01

  • 花ほころぶ春。寒々しい茶の世界だった里山に芽吹きが訪れ、桜や菜の花、ハナミズキが美しく咲き誇っています。濃いピンクの可愛らしい桃の花や、可憐なりんごの花も、信州ならではの春の風景。爽やかな風に誘われて、どこかへ出掛けてみたくなる季節です。

    そんな5月の和風月名は「皐月」。ちょうど田植えの時期であり、苗代から田へ植え替える苗のことを「早苗」と呼ぶことから、「早苗月(さなへつき)」が略されたという説と、苗を植えることを古語で「さ」ということから、「さ」の月、さつきとなったという説があります。田んぼに水が張られ、小さな苗が柔らかな風にそよぐ様子は、信州の原風景。残雪の残る山々と、一面に広がる田んぼの緑とのコントラストを楽しめるのは、この季節ならではの喜びです。

    青々とした田んぼの向こうに秋の実りを思い浮かべながら食べたいのが、たむらの「お団子」。信州、野沢温泉村産米の新粉を使用して、毎朝手作業で丁寧に焼き上げる「お団子」は、たむらの隠れた人気商品です。
    種類は、「みたらし」と「こしあん」の2つ。みたらし餡は、善光寺のお膝元で歴史を刻んだ「三原屋」の醤油と、本みりん、酒、砂糖、そして片栗粉のみで仕上げています。焼き上がった団子をみたらしにたっぷりとくぐらせれば完成。こし餡は、団子専用に炊いた特製の餡を団子が見えなくなるくらいにたっぷりとつけていきます。職人が毎朝仕込み、焼き上げ、店頭に並ぶお団子は、夕方になると固くなります。それこそが本物の証。どうか買ったその日のうちにお楽しみください。

    また、5月といえば思い浮かぶのが5月5日の「端午の節句」です。「五節供」のうちのひとつであり、今は「こどもの日」として子どもたちの健やかな成長を願う日となっています。端午の節句といえば定番なのが、かしわ餅。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから家系が途切れないとされ、「子孫繁栄」を願う縁起の良いお菓子として親しまれています。たむらでは6月上旬までの期間限定で、かしわ餅を販売。こし餡、みそ餡、うめ餡、よもぎ(つぶ餡)の4種類の中から、お好みの味を見つけてください。

    さらに6月上旬からは、旧暦の6月の名を冠した「水無月」の販売も始めます。「水無月」は、一年の半分にあたる6月30日に、半年分の邪気を祓って残りの半年を健康に過ごせるよう祈願する、「夏越の祓」という神事とともに食されるお菓子です。

    皆さまのご来店を心よりお待ちしております。
    店主